2017年2月25日土曜日

2017年2月19日 【事故に学ぶリスクマネジメント講習】一人一人が考える座談会になりました

冷たい風が吹き抜ける蒲郡市・西浦パームビーチ。
その海岸に熱い思いを抱いた100名以上のパドラーが集まりました。


2016年暮に三河湾で起こったシーカヤックによるお二方の死亡事故。
【事故に学ぶリスクマネジメント講習】と題して東海エリアのシーカヤック関係者が発起人となり、各方面へ声かけをして2月19日に開催しました。

会場は西浦パームビーチにある海の家。

RAINBOW三河湾シーカヤックスクールの代表・中谷さんが最初に挨拶をされ、そして亡くなった二名の方へ全員で黙とうを捧げることからこの会は始まりました。


今回は他に三重県紀北町のシーカヤックステーション小山ハウス代表・森田さんとシーカヤックビルダーであるセントム工房の豊島さん、そして私本橋の四人が中心となって準備を進めてきました。
そしてJSCA(日本セーフティカヌーイング協会)が主催になってくださり、そして海上保安庁三河海上保安部の西村次長にもお越しいただきました。

海上保安庁はこの会のために資料を作成してきて参加者へ配布し、それにそって海での事故事例や概況を説明し、そして海上保安庁からのお願いとして様々な提言をしてくださいました。
携帯電話の携帯方法やウェア類のカラー選びなど、非常に丁寧な提言でした。

質問コーナーになると今回の事故について詳細な情報を得ようと多くの質問が出ましたが、まだ捜査中でもあり、また、お二人とも亡くなられているので状況から推測することしかできないのでいわゆる「答え」は無く、結局のところ自分で「考える」ことしかできません。
そしてその「考える」ことこそが今回の会の主目的でした。


シーカヤックジャーナリストにして現在、海上保安庁の「安全推進アドバイザー」にも任命されている内田正洋さんにもお越しいただきました。
内田さんからはもっと海上保安庁とつるんでいこうぜ、といった感じのお話でした。(かなり大雑把なまとめかたですね笑)

内田さんは今回の事故後、海上保安庁から相談も受けていらっしゃったそうで、海上保安庁としてももっとシーカヤックのことを知りたいという思いがあるとのことでした。


続いてはカヤックビルダーの豊島さんです。
ビルダーとして、そしてシーカヤックだけではなくヨット乗りとしての知見から海の怖さ、そして道具のメンテナンスの大切さをお話いただきました。
豊島さんにはこの後にカヤックの個別メンテナンス相談もしてもらい、多くのパドラーと交流してもらえました。

僕にとってはとても身近にいる豊島さんですが、こうしてあらためて話を聞くとすごい人だなあと感服しました。


午前中最後は北海道・小樽のブルーホリックのスタッフ飯山さん。
飯山さんはこの5月からシーカヤックによる単独日本一周ツーリングを計画中で、その遠征でも使用する緊急救難信号機「イーパブ」の紹介をしてもらいました。

質疑応答では、日本一周旅の装備のことなども盛んに質問が飛び交いました。
旅の装備もIT化が進み(!?)、スマホもタブレットもランタンも電気製品はすべてUSB化して大容量モバイルバッテリーで充電するという話を聞き、参加者の皆さんもほぉ~と感心していました。
一番関心していたのは日本一周パドラーでもある森田さんで、もうオレらは時代遅れだなと苦笑いしていました。


昼食を挟んで座談会再開です。
午後は日差しを求めて外で車座になりました。

ちなみに写真はありませんが僕は司会進行を仰せつかっておりました・・・。
しかも前日の夜にいきなりの無茶ぶりで、不慣れな司会進行でお聞き苦しいことも多々あったこと、この場をお借りしてお詫び申し上げます。


話し合うテーマはずばり「安全について」。
ギア(装備)のこと、ウェアのこと、技術のこと、知識のこと、経験のこと。
午後は積極的に参加された皆さまからもご意見を出していただきました。

また、僕たち東海エリアだけではなく各地からカヤック業界関係者も多数ご参加いただき、貴重な意見も聞くことができました。


14時半、終了。
カヌーワールド誌の取材も来ており、集合写真を撮りました。
これでも何人かの方たちが帰られた後なのですが、カメラのフレームいっぱいですね。
本当にたくさんの方が関心を寄せていたのだなと感じました。



今回のテーマは「考え続けること」。

人から答えを聞くのではなく、自分で考えてみること。

海では漕ぐのは自分自身ですし、考えて判断するのも自分自身です。
それは川でも湖でも同じですし、シーカヤックもリバーカヤックも、カナディアンカヌーもSUPも同じです。
ツーリングをするのも、トレーニングするのも、釣りをするのも同じことです。

自分で考える。

そしてその考えを仲間と共有する。
例えまったく反対のことを考えている人がいてもそれを否定する必要はないんです。

そういう多様な考えを受け入れ、理解する。
そうしてまた自分で考える。

パドルで一漕ぎ一漕ぎするように。
少しずつ、
たゆまず、
信じて、前へ。


今回の取り組みはけっして一回だけのイベントではありません。
もうすでに僕たちの中には次の取り組みへのビジョンはできています。

次回も僕たちは「教える」立場にはなりません。
「考える」のは参加される皆さん一人一人です。
(※もう司会もやりたくありませんが笑)


安全で楽しいカヤックを。
その思いを胸に漕ぎ続けましょう!

ご参加された皆さま、そしてカヤック業かい関係者各位、運営に携わった仲間たちに感謝いたします。
ありがとうございました!
そしてまたお会いしましょう~。



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